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2007年06月29日

舟券売場計画、現状は厳しい…市議会の答弁

丸亀市の6月定例市議会本会議が6月7日から12日まで開催されました。そこでの一般質問に対して、綾歌市民総合センター(同市綾歌町栗熊西)の敷地内に計画している丸亀競艇場外舟券売場「オラレ」設置問題では地元自治会の同意が得られず、「現状は、厳しい状況になった」との答弁がありました。
 ことの始まりは、昨年10月25日の丸亀市議会総務委員会の勉強会(テーマのひとつが「ミニ場外構想」)に遡ります。
勉強会当日になって、今日は秘密会だといって市民の目からことを隠そうという企みがなされました。天網恢々というか遅かれ早かれわかることをなぜ秘密にするのかと、議会ではすったもんだがあったようですが、このことから事の次第が市民の知るところとなりました。丸亀市競艇部長が12月議会で計画について説明するということで落ち着きましたが、その12月議会では、旧綾歌町、旧飯山町役場(現市民総合センター)を合併時の約束を破って人員も機能も縮小する条例を可決したうえに、旧綾歌町地区に場外舟券売場をもってくるという市民感情を逆撫でするやり方が公表されたのです。
 今年1月に入って市側は、栗熊地域コミュニティー役員などへの打診を始め、下旬には地元の烏田自治会(24戸)に説明会を申し入れたと報道されています。市民の動きも次々起こります。舟券売場の設置計画撤回を求める提案書が1市民から出されたこともそのひとつです。
 舟券売場が計画されている市民総合センターには丸亀市立綾歌図書館があり、綾歌中学校や栗熊小学校、保育園の通学路に当たります。線路を挟んだ南側には総合文化会館アイレックスがあります。地域の文教地区であり、まちづくりの中心になる場所です。市民の不安、反対が広がり、綾歌町内の小中学校PTAはじめ幼稚園、保育所や子ども会、地元自治会、コミュニティーが参加して「綾歌地区場外舟券売場設置反対連絡協議会」が結成され、3月2日に設置反対の署名運動がスタートしました。短期間で4500筆(綾歌地域の有権者の4割近い署名を含む)を超える市民の反対意思が集められ、それは4月27日に丸亀市長に提出されました。また「設置反対連絡協議会」の松内克己会長ら4人が、5月14日に国土交通省四国運輸局を訪れ、先に丸亀市に提出した反対署名を示して舟券売場設置計画に許可を与えないように申し入れました。代表らは市民総合センターの敷地と、近くにある総合文化会館アイレックスなど文教施設、小中学校の通学路などを詳しく示した地図をもとに、同局竹田規央海事振興部部長らに周辺環境を説明し、ギャンブル施設を設置できる場所ではないこと、またレオマワールドへの通路であることから交通渋滞の懸念が大きいことなどを強く訴えました。竹田部長は申し入れの趣旨、説明資料などを本省に伝えることを約束しました。
この間、3月下旬には国会でモーターボート競争法の改定が急ピッチで審議されていました。この改定ではボートピアなど場外舟券売場が法に書き込まれいわば合法化されることがねらいの一つでもあります。審議にともない様々な情報が飛び交い、住民運動に影響が出ますが、場外舟券売場設置では、とりわけ地元合意が必要条件であること、その合意は民主的に進められなくてはならないことが重要です。地元住民の合意がとれないもとでも、市側は、綾歌地区の国道32号線沿線に「設置したいとの思いは変わらない」として、「今後も地域住民との議論できる土壌の醸成につとめる」と述べるなど断念の意思は見えません。
舟券売場問題の中心論点は、丸亀市が自治基本条例を制定し今後のまちづくりを自治会やコミュニティーなどと協働して推進していくことを最大の柱としている立場から考えると住民のまちづくりの意思を最大限尊重すべきであるという点にあります。ところが担当部長は、国道32号線沿いの綾歌地区につくることに固執するばかりの姿勢で、それは綾歌町民を分断し対立させるものであり、丸亀市が掲げ推進しようとしているまちづくりに逆行するものです。自分たちの地域は自分たちで守り創ろうとしている住民の中に、舟券売場設置に反対する人、賛成する人をつくり出し地元住民を分断して苦しめることになるとといわざるを得ません。
5月22日の烏田自治会から市側へは、「自治会として検討した結果、今後の自治会の円満な運営を配慮して(場外舟券入り場の設置同意は)受けないとのことに至った」と伝えたところ、市側は、「みなさん方の意向を尊重し」たうえで検討するとの応酬でした。
平成18年10月には丸亀市自治基本条例が制定されています。その第3条(協働してまちづくりをすること)や第16条(市民が参画する機会の保障)に照らし合わせると、一方的な施策判断はできないはずです。条例の解説にもあるように、「お互いの立場や特性を尊重しながら協力しあいながらまちづくりに取り組んでいこう」とされています。これからの丸亀市のまちづくりを考えるとき、さまざまな情報の共有と市民の市政参画の具体的な実効が重要となっています。
場外舟券売場問題は、綾歌地区に限ったことではない自治基本条例の有効性を問う最初の「事件」となっています。地域での住民運動が、確かなまちづくりを進めるでしょう。(この文章は自治体問題研究所の月報から)

投稿者 はねだ鉱造 : 2007年06月29日 20:28

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