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2007年03月27日

3月議会、高田重明議員の反対討論

日本共産党を代表して、反対討論を行います。反対する議案は
議案第16号 平成19年度丸亀市一般会計予算
議案第20号 平成19年度丸亀市公共下水道特別会計予算
議案第24号 平成19年度丸亀市農業集落排水特別会計予算
議案第33号 丸亀市市民福祉医療費助成条例の一部改正について
議案第34号 丸亀市市民福祉年金条例の一部改正について
               以上5議案です。

 私たち日本共産党は今議会、19年度の予算編成にあたり、昨年に引き続く定率減税の全廃などによる増税、また社会保障制度の後退で、市民の生活が苦しくなる中で、限られた本市の予算を、不要不急の建設事業に何千万円、億の単位で使うのでなく、市民生活を支える経済的援助の施策を進めるために使うべきという立場で議論をしてきました。
 今議会提案されている予算の中には、子どもたちの安全を守る学校耐震補強事業、綾歌・飯山地区で心配されている消火栓整備への着手、増税が保育料値上げにつながらないよう、厚生労働省の是正通知に従い所得基準額の変更を速やかに行うなど、市民の要望にこたえた評価すべき点も種々含まれています。
 しかし全体としてみたとき、19年度予算は行財政改革のもと、経費削減・職員削減を最優先した予算組みであり、その結果、市民生活を支えるどころか、市民の負担がさらに増え、市民サービスが遠のきまた、自治体として禁じ手とも言える、福祉予算まで削る結果となっています。

まず、反対の第1の理由は障害者福祉制度の後退、下水道料金等の値上げによる負担増加、有線放送廃止、コミュニティーバス予算の減額によるサービスの低下の問題です。
今、格差社会が大きく問題になる中で、本市でもその傾向は顕著に現れています。たとえば、経済的な理由により、小・中学校への就学が困難な児童生徒に対して、学用品費、給食費を支給する就学援助費は、18年度、前年度と比べ15%増加しました。19年度予算ではさらに増加を見込んだ予算となっています。
 生活保護費も年々増え、生活扶助費で見れば、予算ベースで19年度予算は前年度比23%増となっています。経済的に困窮している世帯が増えてきていることは明らかです。こうした中で市民の暮らしに最もみじかな政治である丸亀市政がすべきことは、必要な経済的支援を行い、市民の生活を支えることであり、市民に新たな負担を押し付けることなどはすべきではありません。
H19年度予算において、本市が独自セ策として行ってきた、障害者年金の支給対象を狭めたり、支給額を減額をする。又、障害者医療費助成制度に所得制限を設けて受けられない人が出る、これらの障害者福祉制度の後退はとても認められるものではありません。障害を持つ子供さんの保護者から、今の制度を廃止や縮小はしないでほしいと陳情が出されていたことは、対象となる方々の不安の大きさを物語っています。
この、障害者福祉制度の縮小問題では会議、委員会審議の中でも、廃止や削減の対象は一定所得のある人である、又生活に影響の少ないものである。と理事者は答弁されましたが、たとえば今回医療助成の対象から漏れる方は200名、年金が減らされたり、受けられなくなる人は230名にもなります。いま、これだけ税金、介護保険料などがあがり、自立支援法の元、負担が増える中で、これら数百名の方がみんな経済的に困っていないなどとは到底考えられません。
また、障害を持つ子どもさんが、保護者がなくなった後年金を受け取る扶養共済制度の掛け金に対して、丸亀市が行う助成を、新規分からは廃止するとされています。現在、この制度を利用している方は、「自分達が年老いてなくなった後、残る子どもがどうやって生きていくかが、何よりも心配である。この扶養共済制度があることは少しでも救いになるし、丸亀市が掛け金へ助成してくれることは大変助かっているのに、なぜ、新規の助成をやめるのか、親の願いに丸亀市は背を向けるのか」と、納得できない思いを語っていました。
  又、19年度から実施される下水道料金の値上げ、浄化槽清掃の許可業者製への移行に伴い予測される値上げも、市民生活の新たな負担増かとなるものです。
  負担増かとともに市民サービスの面でも、市民の足であるコミュニティーバスの運行委託料が300万減額されていることは問題です。利用率の低い路線で求められていることは、効率的な路線やダイヤに改善し、利用しやすい状態に持っていくことであり、予算総額を減らしてしまっては、ただの縮小にしかならず、市民の利便性の向上は望めないと考えます。
  また、存続を望む声や合併協議にそむき、廃止を決めた綾歌・飯山地区の有線放送は、施設の撤去に1億400万円予算計上されています。まだ使える施設は撤去するのではなく、防災無線が完備するまでの施設として活用する方法も十分考えられます。市民サービスを削り、使える施設まで含めて撤去するのに1億以上の税金が使われるというのは理不尽です。
 さて、こういった福祉の切捨てや、負担増か、市民サービスの後退は、現在の行革が進行する中、経費削減のために仕方がないということを言われますが、私たちは、その財源は、不要不急の建設事業を辞めることで十分出てくると考えます。
 第2の反対の理由は、市民の福祉やサービスを切り捨てる一方で、急がなくてもよいと考えられる建設事業に、億の単位で予算がつけられていることです。私どもは、3つの事業について凍結することを今議会を通じて求めてきました。
 1つは、1億5000万円の多額のお金を投じる、総合運動公園整備事業であります。19年度から整備されようとしている多目的広場には、緊急性がないのであります。なぜならば、本市全体を見ますと、飯山総合運動公園にも、この計画より少し広い多目的広場がすでに整備され、活用されています。市民の利便性を考えて、丸亀市総合運動公園に新たな多目的広場を作るのならば、財政状況が好転してからでよいのであります。
 2つ目は、旧JA跡地周辺を4400万円かけて、園路等を整備し、公園として市民ひろばを整備する計画です。
 この整備は、暫定的な整備と説明がされております。暫定的なものに4400万円もの多額のお金をかけてまで、急いで整備する必要はありません。公園としての最終的な整備計画が決まり、財政的にも可能となったときに、整備を始めればよいのです。今は現状の利活用でよいではありませんか。
 3つ目は、土器川生物公園ゲートプラザの整備であります。19年度駐車場や用へ機の整備に1410万円をかけるものです。
 しかし、この生物公園ゲートプラザの整備は、19年度だけにとどまらず、この整備が終われば、トイレや休憩所の建設など来年度以降も継続していく計画であり、今は凍結こそ必要です。
 これら3つの事業の19年度の事業総額は、2億810万円です。その一方で、先に述べた削減される市単独事業の障害者福祉の予算は3000万円です。
 今、緊急性を感じられない、これら事業を凍結すれば、福祉制度をきり縮めるようなことはしなくてもすみます。
 これでは、本市に無いのはお金ではなく福祉の心、といわざるをえないのではないでしょうか。
 また、同和対策事業の見直し・廃止も行い、予算を削減すべきであります。
 特別法終了後も行われている、一運動団体への活動補助金794万円や、市単独事業の、教育・職業相談員設置事業に723万円などは、税金の使い方として広い市民の理解は得られないと考えます。

さて第3に「集中改革プラン」を元に最優先される行財政改革のありかたに反対をするものです。
 本市の総合計画におけるテーマが市民との協創であると言うならば、この行財政改革のあり方も、市民とそのあり方を合意しながら進めていく、又、市民が行財政の効率化によるメリットも実感しながら進められるものでなければなりません。しかし、19年度予算における行革の影響は、国から示されたとおりの、人件費抑制、使用料・手数料の見直し、補助金の削減、民間委託などをとにかく断行するというもので、市民が将来に希望の持てるようなものではないと考えます。
 まず、職員削減では、あらゆる分野でその影響が出ていますが、とくに19年度では、ほかでは職員を減らせない部署があるから、ここから減らすといわれた、市民総合センターにおいて、19年度予算の減額に顕著に現れています。合併協議の合意事項とは、あきらかにかけ離れたこの縮小は、地域住民の身近な市民サービスと市政への信頼を失わせる結果となっています。
 また、新学校給食センター新築移転整備事業費は2つの学校給食センターを統合して6500食もの大規模な新学校給食センターを作る計画をもとにしているものです。これに加え、その調理業務を民間委託することを前提に検討が進められようとしている問題は、子どもたちの健康と命を預かる学校給食のあり方を、経費削減を第一の目的として検討するもので、出発点がまったく誤まっています。学校給食はこんだてを立てるところから、食材の調達、調理、子ども達の口に入る場面まで、切ることのできないひとつの流れとして、生きた教材いわゆる食育なのです。いま子ども達の健やかな成長のために最善のものが求められる教育の分野に、合理化・経費削減は相容れません。
 また、現在、偽装請負の是正へと社会が大きく動き出し、直接雇用へのきりかえが厚生労働省からの通達として出される時期に、同じ偽装請負である、調理業務の民間委託が本市の給食センターにあることは問題です。早期に調理員を直接雇用に切り替えるなど見直しが求められると考えます。
 さて、行革の中で指定管理者制度は市民サービスの向上よりも、団体への委託料の削減、と言う側面を19年度予算でますます明らかにしてきています。
本来指定管理者制度は、施設管理先として優れたノウハウを持つさまざまな団体を競争させ、より住民サービスに優れ、かつ経費削減につなげるという趣旨のものですが、この制度自体、儲けになる公の施設を持つ都会を前提にしたものであり、地方都市ではもっぱらこれまで管理を委託していた団体への委託料カットの手段として使われています。
本市においても、19年度、生涯学習センターへの指定管理委託料を始め、団体の経営改善と言う名目とともに、経営努力をすれば、次年度その分委託料を減らされるという流になっています。本来なら、経営努力で浮いたお金は、新たな市民サービスのために振り向けられるべきです。指定管理者制度が導入されていても、公の施設の設置目的は、福祉の増進のため、であることはいささかも代わりがなく、そこに自治体は責任を持たなければなりません。建物の管理だけ安く上がればいいという姿勢が見える、本市の指定管理者制度の使い方は、本来の公の施設のあり方を忘れているといわざるをえません。

第4の反対理由に、19年度予算化されている国民保護法関連事業があります。
国は地方自治体に、国民保護計画の策定を押し付けております。それに従い、本誌も計画策定に向け、国民保護協議会を3回開催し、この2月に行われた協議会で、計画案を答申する運びとなっています。
しかし、その内容は日本が他国から武力攻撃等を受けた「日本有事」に備え、市民を保護するための計画としながら、実質は戦争への思想を日常、不断に普及していくことを目的としたものです。
しかも、アメリカが起こした戦争に、市民や電力、通信、運輸、病院等々の民間機関を強制的に動員するための仕組みを作ることでもあります。
日本国民は、戦後二度と戦争をする国にはしないという誓いと共に、戦争放棄と軍備禁止という徹底した決意を、日本国憲法によって国の内外に示したのであります。
それによって、憲法9条に守られ、侵略する国ではなくなり、外国の人を戦争で殺害することもなくなりました。
恒久平和主義・不戦の確固たる姿勢を、市民の日常の意識から変え、戦争のできる体制を整えていく、国民保護計画を本市で作り、具体化することは絶対にすべきではありません。
以上、冒頭述べました5議案への反対理由を大きく4つの点から述べましたが、現在、本市がおかれている状況は、地方分権とは名ばかりで、国の地方自治体への歳出は最大限削減され、しかもさまざまな仕組みは国の裁量で決められているものが多く、市民との板ばさみで職員の皆さんをはじめ、大変であると考えます。
しかし、こんな時代だからこそ、自治体として、福祉の増進が目的であるという、本来の役割を発揮すべきであり、その魂を投げ捨てるべきでないということを、申し上げ日本共産党市議団を代表しての反対討論といたします。

投稿者 はねだ鉱造 : 2007年03月27日 10:23

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