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2007年03月18日

共産党議員団の3月議会(07)代表質問

市長の施政方針および19年度予算案に対し、日本共産党議員団を代表して質問を行います。
1 地方自治体の役割は何か
まずはじめに、地方自治体の役割を市長はどうお考えかお尋ねします。
市長は施政方針で、本市財政状況について述べるとともに、「新しい時代に活力のある都市として生き残れる体制を築きたい」と意欲を示しております。
しかし、今日の格差と貧困の広がりの中で、市民生活がどんなに大変な事態にあるかについては、目が向けられているのだろうかと疑問を抱きます。
 いま言われている景気回復は格差景気です。法人企業統計に基づく試算によれば、資本金10億円以上の巨大企業の役員一人あたりの報酬は10年前の1433万円から2810万円と約2倍になっているのにくらべ、資本金1000万円未満の零細企業労働者の賃金は262万5000円から218万9000円にまで引き下がっています。
 市内中小業者の人たちを見ましても、消費税の免税店が引き下がったことによる新たな消費税負担額が払えず、早朝や夜間のパートに出る方もいます。
また、大企業には減税をする一方で庶民への増税は過酷です。
 昨年の老年者控除の廃止や定率減税の半減による増税は、国保税や介護保険料にも跳ね返り雪だるま式の増税となります。さらに今年も定率減税の全廃による増税がまっています。
 こういった国の「強きを助け、弱きをくじく」政治のもとで本市がしなければならないことは、第一に市民を守る立場から、国の誤った政治に対しストップをかけること、第2に国の、くらし・福祉・教育などさまざまな面で不十分なセ策に対し、独自セ策を行い、市民のくらしと命を守ることです。地方自治体の役割は、国民の生存権と国の社会保障的義務をうたった憲法25条を守り、市民の日々の暮らしを支えることだと考えます。市長は自治体としての役割をどのように認識されているかお示しください。

2、「市民の声を市政に反映する」市長の政治信条について
次に市長の政治信条についてお尋ねします。
市長は、施政方針において、自らの政治信条を「市民の声を市政に反映する」ことだと述べています。しかしこの間の市政運営において、私達が「なぜ、市民の声を聞こうとしないのか」と問いただした事柄がいくつもあります。19年度、合併浄化槽清掃を市民の負担が増えるにもかかわらず一方的に許可業者せいにする問題。市民総合センターを合併時の約束に反し、また、市民の声も聞かず、縮小する問題、審議会から出された答申を無視して事業廃止を決めたものもありました。こういった、市民軽視の市政運営を批判してきた私たちは、市長が「市民の声を市政に反映する」という、その真意を測りかねます。
市長は19年度、主権者は市民であるという認識のもと、市民の意見を尊重するという立場で市政運営に当たるのか、あらためてお尋ねします。
また、市長が、民意をいかに尊重するかについて、綾歌庁舎敷地内に計画されている場外船券売り場の問題についてお尋ねします。
綾歌に場外船券売り場を設置する計画は、その計画自体にも、また、進め方にも私たちは賛成できません。
地元住民から反対の声、と新聞各紙が先日大きく取り上げております。
設置計画場所は、市民総合センターの敷地であり、図書館があり、文化施設も近く、ギャンブル施設ができれば教育環境が損なわれるとPTAやコミュニティーを中心に反対連絡協議会が結成され、署名活動が始まっています。
この地元住民の声に市長はどうお答えになるのでしょうか。その政治信条から地元住民・市民の意見を尊重すると理解してよろしいかお示しください。

3、「安全で安心して暮らせるまちづくり」について
つぎに市長が19年度重点的に取り組んでいくと表明している「安全で安心して暮らせるまちづくり」についてお尋ねします。

さて、19年度の予算編成基調でも、財政がいかに厳しくとも、安全安心のまちづくりは重点的に行うとしています。学校の耐震診断・補強も重点事業となっています。災害時の避難場所、又子ども達の命を守るため順次、積極的に進めて言っていただきたいと思います。しかし、「安全安心」は万が一の災害時だけではありません。毎日が不安なく暮らせるかどうか、という問題でもあります。
そこで、本市の19年度予算について毎日の「安全・安心」を保障する内容になっているかをお聞きします。格差社会を是正するような予算になっているのか。弱者をさらに切り捨てるような予算になっていないか、という観点から6点お尋ねします。

まず、1点目は障害者福祉についてです。
19度予算案で大変衝撃的なのは、市が独自に行っていた障害者福祉事業を廃止・縮小し、3000万円近くも削減しようとしていることです。障害者医療に所得制限を設け、約200名の方が制度を受けられなくなります。約230名の方が今まで受けていた福祉年金を受けられなくなったり、減額になります。自立支援法で応益負担が導入されてから、障害者の経済的負担は重くなっています。その深刻さに国も激変緩和策を急遽打ち出さざるを得なくなるほどです。いま本市に求められているのは、その重くなった負担をどうやって軽減するか、であって、さらに追い討ちをかけるように、これまで行ってきた福祉年金や障害者医療の制度を後退させることでは決してありません。なぜ社会的弱者を対象に予算を削らなければならないのかお尋ねします。

2点目は経済的弱者への支援についてです。
国の増税により、貧困と格差が広がり、市民のいのちと暮らしが脅かされている今こそ、経済的弱者への支援をおこない格差是正の施策を市としてとるべきです。具体的な負担軽減策について、私たちは今すぐにでもできるものがあると、この間さまざまな実施を求めてきました。例えば、①多重債務者の相談事業の実施 ②障害者手帳はないが、それに匹敵する高齢者に障害者控除認定書の交付を行えば、増税が少しでも抑えられ助かります。 ③国保税の申請減免は、該当する条例を運用できるように、要綱を定めれば本当に払えない人の助けとなります ④介護保険の保険料や利用料・自立支援法による利用料金の独自助成の実施 また、⑤紙おむつを使用している高齢者・障害者や乳幼児のいる家庭へのゴミ袋の支給は福祉の観点からも必要です。
市民が本当に生活が苦しくなったと実感している今、こういったことをひとつからでもとりくんでいただきたい。19年度、本市はどのような経済的弱者への支援策を考えているのか見解を伺います。

3点目は学校教育について、子ども達の健康と命を預かる学校給食の問題をお尋ねします。
19年度、現在の中央学校給食センターと綾歌学校給食センターを統合した、新学校給食センターの建設に向けて着手するようになっています。学校給食センターを6500食もの大規模化することは、危機管理、食育、地産地消を進める観点からも絶対にしてはならないと考えます。現在給食民間委託の問題について検討委員会がもたれていますが、民間委託の是非だけでなく、給食センターの立て替えに当たって、調理場をどうするかの問題も含め、子ども達への安心安全な給食とは何か、望ましい学校給食のあり方を、一から検討しなおすべきだと考えますが、見解をお聞きします。
また、学校給食の民間委託について、私たちはこの間、教育の一環としてあってはいけないという議論をしてきました。しかし同時に法的な面でも学校給食の民間委託はあってはなりません。現在の調理業務の民間委託の体制は、いま是正がすすんでいる偽装請負です。実態としては調理員という労働者の派遣であるのに、形式的には請負の形を取るもので職業安定法などで禁止されています。今月1日厚生労働省は偽装請負は直接雇用へ是正するよう通達を出しました。自治体が法に触れるようなことをしてはいけません。給食調理業務の民間委託は偽装請負であるという点について見解をお尋ねします。

4点目は、住宅問題についてお聞きします。
 市民の生活にとって住居の確保は生きるうえでの基本です。市長は施政方針で、「住み続けたいと思える町、また、新たな方に住んでいただける町にするために」と述べています。しかし今、住みたくても住む家を奪われようとしている市民が大勢います。県営住宅の廃止問題です。昨年私たち日本共産党はこの問題で国土交通省と直接懇談をし、「香川県の計画はとても認められない」という大変明快な国の見解を持って帰りました。それでも県は法律を変えてでも削減したいといっています。市内192世帯の市民の居住権を守る立場で、県営住宅削減計画への反対の意向を、再度県に対し表明されることを市長に求めます。見解をお示しください。
さて、市営住宅でも老朽化に伴う住み替え干渉が行われていますが、居住者の合意はとれているのでしょうか。
又、耐震化にもカツヨウできる住宅リフォーム助成制度は18県87自治体で実現(05.7.1.現在)しています。生活と隣り合わせの災害への対処として実施する考えはないか。その見解を求めます。

5点目は、健康増進についてお聞きします。
少しでも健康で暮らしたいと健康への市民の関心は大変強くなっています。本市の健康増進計画「すこやか丸亀 21」が制定されますが、これにもとづく19年度の健康増進の取り組み予定についてお聞きします。また、提案理由の説明では国保会計において「市民の健康を守るための施策を積極的に進める」とあります。20年度から保険者が健康診査を行うことを考えても大変重要だと考えます。どういった施策をお考えかお尋ねします。さて、19年度計画されている、ひまわりセンターの機能回復訓練室の廃止・縮小や、綾歌・飯山保健福祉センターからの保健士・栄養士の引き上げは、市民が日々の暮らしの中で身近に健康づくりを進めていた取り組みを後退させるものです。市民への影響をどう考えるのか、その見解を求めます。 

6点目は、地域経済の活性化についてお聞きします。
市民が安心して住み続けられる町にするためには地域経済の活性化は不可欠です。
地域経済の活性化について各分野の市民が知恵を出し合える、ワークショップ、審議会を設けることについていかがお考えか、伺います。

4、「行財政改革の推進」について
 次に市長が特に市政運営で強調している、行財政改革について質問いたします。
 本旨行財政の効率的な運営は、市民の大切な税金を財源としている以上当然のことであります。
 しかし、そのために、市民の暮らしを応援し、よくするこの本市の使命を放棄するのでは、本末転倒です。効率的運営と市民サービスの充実を両立させてこそ本当の行財政改革だと考えます。
 そこで4点行財政改革に関してお尋ねします。
 質問の1点目、今、実施されている集中改革プランは、第一に福祉施策などをかつて無い規模で切り捨てるものであり、しかも第二に、本市の業務を民間に渡していくことによって、公的な責任を後退させるものであります。
 本市行政の効率的運営と住民サービスの充実を両立させてこそ、本当の行財政改革と考えるが、市長の行財政改革への考え方をお示しください。

質問の2点目は職員削減についてです。
職員削減が絶対視されることで、19年度もさまざまな市民サービスの低下が見受けられます。先ほどお尋ねした機能回復訓練室の事業の廃止や縮小、又公民館講座の縮小。市民総合センターの縮小、常駐する職員がいなくなり、福祉の増進が目的の公共の施設がからになってしまう、などです。これまでも業務を減らすため青い鳥教室を民間委託と言う形にした結果、 保護者はどこに相談すればよいか混乱する。などがありました。総合計画策定に当たってのアンケート調査では、行革に対し、「一部サービスを削減するが、市民生活への影響が少ない範囲で進めていくべき」「市民サービスが低下するなら行革は進めるべきでない」と回答した市民はあわせて65%を占めていました。この市民の回答を理事者はどう捕らえているのでしょうか。行革によるこの間の市民サービスの低下をどうお考えか伺います。
 質問の3点目は指定管理者制度についてです。
指定管理者制度が、市民サービスの向上よりも、経費削減に重点を置き、その結果、本旨が指定管理料の減額を行うことで、事業の縮小や、さらには数年間という短期契約から、職員の身分が不安定になることは明白ではありませんか。
本市は、市内企業に対し雇用と働くルールを守らせる立場にありながら、本市自身がこのルールを率先して壊すことは絶対にしてはならないことであります。指定管理者に、その元で働く職員に対し、人間らしく働くルールを守らせる考えが市長におありかお示しください。

質問の4点目は集中改革プランであげている、保育所の民営化や給食の民間委託です。
 各地方自治体に国が半ば強制的に作成させている集中改革プランの大きな柱である、民間委託や民営化は、その目的が経費の最大限の削減にある以上、教育や福祉の質や量の低下が問題になるのは当然です。
 つい先日も、神戸市立保育所の民間への移管が「保護者の権利侵害」と仮差し止めの決定を受けました。横浜地裁でも私立保育園の民営化は裁量権乱用だと保護者への賠償命令を出しました。
保育所の民営化や給食の民間委託が福祉の増進やサービスの向上につながると考えられません。市長の考えをお示しください。



5、税金の使い方の問題について
次に、税金の使い方の問題についてお聞きします。
本市は、財政難を理由に、市民への負担を押し付けるのではなく、不要不急の事業こそまず見直すべきと考えます。
 旧JA跡地周辺を公園として整備する、市民広場の整備に4400万円や、土器川生物公園ゲートプラザの整備1410万円、総合運動公園多目的広場の整備1億5000万円、これらについて、私どもは将来的な必要性まで、まったく否定してしまうものではありません。
 しかし、お金が無い、市財政が大変だとして、歳出を最大限削減し、必要な市民サービスを切り捨て、市民への負担を強化しているときに、今整備をしなければならない理由は無いと考えます。
 整備をする理由について市長の答弁を求めます。
 質問の2点目
 同和対策事業で、運動団体への活動補助金794万円や、特別法終了後も残っている、市単独事業の教育・職業相談員設置事業に723万円などは、市民の理解は得られず、部落問題の真の解決につながらないものであり、見直すべきと考えますが、市長の見解をお示しください。
質問の3点目
 市長が施政方針で検討したいとしている、高齢者向け優良賃貸住宅を建設する事業者への補助制度について、今補助が必要なのは、中心市街地に良質な賃貸住宅を建てられるような事業者ではなく、市民ではないかと疑問を持ちます。
 この制度について、詳しい説明を求めます。

6、「市民参画と協働のまちづくり」
 さて最後に、市長が19年度重点的に取り組んでいくと表明している3つの課題のひとつ、「市民参画と協働のまちづくり」についてお尋ねします。私たち日本共産党議員団は、市民が主権者として市政に参画し、行政と対等な立場で協働してまちづくりを進めていくことを大いに望みます。その理由は、市民こそ市政の主人公であるという私たち日本共産党の信条の具体化だからです。しかし市長が市民参画と協働が重要だと述べている理由は、「市政を運営する上で欠くことのできない手法である」からです。「手法」とは、今国が進めている「新地方行革指針」の、「小さい政府」にしていくために、民間にできるものは民間に、民間も行わないものはボランティアに、という行革手法のことであると理解します。同じ市民参画と協働を重視しながらも出発点は違っています。
 私たちは、市民が主権者というよりも、市政運営の分担を義務付けられ「安上がりのボランティア」として扱われることを危惧しています。
そこで市民参画の考え方についてお尋ねをします。
 市長は19年度の市政運営にあたり、市民参画とは行政サービスを執行するときだけに市民を参画させることではなく、「政策の作成、決定、執行、評価」こういった一連の市政への参加を主権者の当然の権利として行政が保障していくことだと認識されているのかお尋ねします。
 私たちは、自治基本条例を元に、市民の参画が進み、さまざまな市民活動が活発になり、地域の活性化がはかられることを大いに期待しています。その共同の指針となる協働推進条例が今議会上程されていますが、この条例案の策定に当たっては審議会の中で必要な支援とは何かということで議論になったとお聞きしています。市民活動団体は、行政の支援が無ければ育ちません。今後どういう支援を予定されているのかお尋ねします。
 さて、協働の担い手は市民団体とコミュニティーといわれています。市長は施政方針で「地域コミュニティまちづくり計画」の策定を支援すると述べられています。自分たちの地域のことを考え将来のまちづくりをコミュニティーで考えていく。住民自治を進める上で大変重要なことだと思います。しかし、どんなにすばらしい計画を立てても、予算権限・政策決定はすべて市にお任せでは計画は現実味のあるものになりません。
今、全国的には、地域自治組織をおき、自分たちで町を治めていく住民自治の動きが広がっています。本当にコミュニティーが地域に責任を持ち、まちづくりを計画し、一人一人の市民が市政に参画をしていくには、一定の予算と権限が与えられる、地域内分権としての、地域自治区をおいていく必要があると考えます。理事者は必要性は否定しないが機が熟してないとの答弁を以前にされていました。状況は働きかけなければ変わりません。コミュニティー等の単位で地域自治組織にしていく方向性を考えるべきではないかと思いますが見解をお伺いします。



給食再質問

どんなに多くの民間委託の実例があろうとも、又、過去、杉並区のように偽装請負だと違法性を訴える裁判でそれが認められなかった1つのケースがあっても、時代は確実に変わってきています。法の目をかいくぐっていた偽装請負が、もうまかりならんと言う流れがいま起こっているのです。大手企業で直接雇用へと切り替わったり、この給食の民間委託でも京丹後市で、市が設立した派遣会社から、給食調理へ派遣をしようとして、京都労働局から指導を受けています。 こういった、どう見ても違法である給食調理業務の委託を自治体が行っていいのですか。

たとえば、偽装請負でなく、真の請負であるためには職安法施行規則で4つの要件を満たすこととなっていますが、そのひとつに、「委託を受けた業者が、自ら提供する機械、設備、機材、もしくはその作業に必要な材料・資材を使用する」という条件があります。給食の調理業務委託にこれが当てはまりますか?給食センターや、調理施設や調理器具は、業者が提供していますか。お答えください。

投稿者 はねだ鉱造 : 2007年03月18日 15:27

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