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2006年12月20日

尾崎淳一郎議員の決算反対討論(12月議会)

17年度決算反対討論原稿(2006.12.1.)
                              尾崎淳一郎     

 日本共産党市議団を代表して尾崎淳一郎がH17年度一般会計決算の反対討論をおこないます。
 反対する項目は、土器川生物公園ゲートプラザの整備、ゴミ袋・粗大ゴミの有料化、合併浄化槽掃除手数料の引き上げ、がん検診の自己負担増および基本検診における集団検診の廃止、在宅寝たきり老人介護者手当の削減、綾歌・飯山地域の保育料の引き上げ、飯山南幼稚園の移転新築計画が中断しプレハブ教室の増築になった件、不公平な同和行政の以上であります。
新丸亀市として初年度に行われたこれらの負担増加や市民サービスの低下は、国の地方切捨て、新行革指針による自治体破壊を背景にしたものです。
04年度を初年度とした三位一体改革は、国の補助金の廃止・縮減とそれに見合わない税源移譲、そして地方交付税の削減で、地方財政をいっそう圧迫しています。丸亀市でも17年度就学援助の国庫補助が前々年度と比べ約2400万円減額となるなどしています。地方自治体を身動きできなくしたうえで、新行革指針に沿って集中改革プランを作らせ、財政難を理由にした福祉の切り下げと住民負担増、職員削減や民間委託を各自治体で推進させる、 こういう大きな流れにあります。合併後、初年度の新丸亀市もこの年度に作成をした集中改革プランに沿ってまさに国の引いたレールの上を走ってきたといえます。
 合併初年度、平成17年度決算の第一の特徴は、集中改革プランの地ならしとして、根拠のあいまいなまま、「大幅な収入減」、「未曾有の歳入危機」といった表現で、今にも財政破綻するかの印象が市民に深く植えつけられてきたということです。
この年、度理事者からは二言目には「財政危機」、その枕詞のように「市税の減収・地方交付税の削減・競艇事業収入の減収」がついてまわりました。しかしながら競艇事業収入の減は早くから分っていた事実ですが、17年度決算審査で明らかなように、市税・地方交付税はともに昨年度決算よりも上回り、「合併を前後して大幅な減額」といってきた理事者のこれまでの説明とは異なるものでした。私たちは本市の財政難の本当の原因は合併をした自治体の特徴、つまり、10年後から合併算定替えがなくなり地方交付税が大幅に削減されるとか、有利な借金である合併特例債を活用して、これまで毎年20億ほどだった普通建設事業費を10年間毎年45億円も使っていくとか、その合併特例債は有利にしろ借金ですから、大きな償還が始まるとか、こういった合併が国にとって最大の経費削減方法であるという本質的な問題からくるものだと考えます。
 17年度決算で、さまざまな要因はあるにしろ数字的には事実でなかった「市税の減収・地方交付税の削減・」を根拠に財政難だ財政危機だと、実態以上に大きく説明を繰り返したのは、財政難の根本の問題から市民の目をそらし、今後進めていく負担増加やサービスの切捨てに対して「市が財政破綻するかもしれないから仕方ない」と市民にあきらめさせる基盤を広く作ったものといえます。財政の問題は行政職員以外大変つかみにくい問題です。合併前にだされた財政計画にしても、まったく現実離れしたものであったことが17年度決算と比べても分ります。市民に理解される真の行財政改革のためには財政についての正確な情報公開が不可欠と考えます。

17年度一般会計決算の第二の特徴は新市への市民の期待を裏切る市民サービスの低下と負担の増加です。
 サービスは高いほうに負担は低いほうにが合併の基本です。とこういいながら、基本でないものがあまりにも多いのが現実でした。
 とくにゴミ収集の有料化は全世帯が毎日かかわる問題であり、新市になっての大きなマイナス面と市民が捕らえた負担増加です。この有料化により,7500万円の収入が当初予定されていましたが、決算では粗大ゴミ手数料、ゴミ袋売り払い料あわせて9045万円 がこの年度新たな市民負担となりました。この年度確かにゴミは前年度と比べ減少しましたが、同時に市民の心配どおり、有料袋に入れられていない家庭ごみの不法投棄が増えているという結果が17年度決算審査でも明らかにされました。又、多くの自治体がゴミ袋有料化を契機に、分別すればゴミ袋代も節約できますと言うことで、、、ゴミの分別を細かくし、資源化を進めていますが、本市では有料化はしたもののこういった分別を増やした資源化の取り組みは進められませんでした。
 又、合併処理浄化槽の清掃手数料、保育所保育料も1市2町間で大きな開きがあったものを、高いほうに近づける調整がされました。旧2町では保育料は合併以前に引き続き連続値上げ、値上げ額の大きい所得階層では年間2万8800円の負担増加となりました。
 又、健康診査の関係では、基本健康診査の自己負担が無料になる、人間ドッグへの補助の制度が新しくできるといったことから、新市全体としては基本検診の受診率があがりプラス面であったと思います。しかしながら、これも旧1市2町間で、制度や自己負担額などに大きな開きがあり、個人負担の増加、集団検診の廃止、通知の簡素化などがあった旧2町の地域では、市全体の傾向とは裏腹に基本検診受診者が飯山地域で約100人綾歌地域で300人へるという大きな後退となりました。受診を促進させるための対応が急がれます。
 又、移転新築予定だった飯山の南幼稚園が700万円かけて実施設計までしておりながら、行政間の認識の不一致から、計画が頓挫し、プレハブ一教室の増築になってしまったことは、住民間に大きな失望と新市への不信感を募らせる結果となりました。この問題は、いかに合併協議が、合併を成就させるために重大な問題をよけて通ってきたかをあらわしていると思います。行政は連続しているものであり、この問題について市は市民へ責任ある対応が求められます。
 第3にこれらの負担増加やサービス低下のある中で、市民の納めた貴重な税金がどのように使われたかの問題です。
 合併前のアンケートによれば市民が将来望んだ一番のことは、保険・医療と福祉の充実でした。
新しい丸亀市として、限られた財源でこれらの市民の期待にどうこたえるかが最大の課題だと思います。
しかし、17年度の政策を見てみると、先に述べました福祉・市民サービスの低下や負担の増加がめだち、その一方では、本当に今整備が必要とは思えない土器川生物公園の新たな整備に1億1100万円が投資されました。
又、同和行政では、02年に国の同和対策特別事業が終結しているにもかかわらず、一運動団体に873万円もの援助金が支出されるというのは市民に理解されるものではありません。また、市が同和対策事業の単独事業として行っている教育・職業相談員設置事業も739万円をかけて行なわれましたが、速やかに一般施策と統合すべきと考えます。
最後に17年度一般会計決算を通し市長の政治姿勢について一言触れておきたいと思います。
この決算審査においても、たとえば健康診査の17年度実績を踏まえ、さらに検診制度の充実を求めれば、市長からは「充実するためには税金を上げさせてもらわなければならない」と答えが返ってくる。又、この年度、新しい市政に希望を抱き、福祉の充実を求める市民の要望にも、「どこまで贅沢が認められるか」といった見解がきかれました。財政が厳しいのは分かりますが、しかし自治体の本旨は福祉の増進です。苦しい財政の中でも、いかに自治体の存在意義を発揮できるか、市民の願いに答えることができるか、と、とりくむところに、市長の長としての権限と値打ちがあるのではないでしょうか。市民の希望にそった丸亀市政を作り上げるため、大いに考え、改めていただくことを申し上げ一般会計決算の反対討論といたします。


投稿者 はねだ鉱造 : 2006年12月20日 17:38

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