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2015年11月20日
えほん高松空襲(未来会通信から)
「戦争はふるーい」。戦争法反対、官邸前で若い女性のコールです。戦争は折りたたんで歴史の中にしまっておくもの。「えほん高松空襲」をつくっているときいいたかったことが戦争法反対の声が広がる中でいくつも「これだ」と共感する言葉で若い人のスピーチやコールの中にありました。
七〇年前の戦争が産み落とした日本国憲法九条を、いま世界基準にする。えほんでは「わが9条と核兵器廃絶は世界が緊急に求める大事」という言葉にしましたが、今ひとつふに落ちていない表現で悩ましいところでした。
高松空襲については植田正太郎さんの強い思いがもとになって子どもたちに伝えるためには映像が一番だと考え、DVD[高松空襲」をつくりました。「メディアに関わっているおまえらの仕事だ」と言う正太郎さんの命令に従ったわけです。西日本放送OB・番組つくりのプロが仲間に入って、シナリオから絵つくりまで知恵も力も出してくれました。絵は現役の中学校美術教師、四国新聞の元編集局長から文化部長、地元マスコミ関係者総がかりの仕事で、2009年に取りかかってほぼ2年がかりでした。DVDは髙松で平和教育によくはたらいたと思います。つかう先生がいてのことですが…。
原画を描いた先生から「なんとか絵本にしたいわ」と要求が出ました。すぐ実行にうつしました。いまは物事を伝えるにはスマホ、タブレットが中心に座ってる時代です。読むのも聴くのも眺めるのも液晶の画面です。そしてDVDなど映像と音声が氾濫しています。それであっても基本は紙メディアと考えています。だからどうしても絵本化したかった。手元に置いていつでも手に取ってもらえる、印刷された絵をみて、文章を読んで中身を理解することの強みを信じているからです。
そこでさっそく伝手をたぐって岩波書店に持ち込んだり、新日本出版に乗り込んだりとやってみてものってもらえません。自費出版なら100万円あまりと言われても出所がない。
昨年、「114銀行学術文化振興財団」の助成金の話が出たとき「これでなんとかしなくては」と申請しました。50万円です。
原画の物語は空襲の夜、一人ひとりの生還物語です。手記の原文を読み込み、生存していらっしゃる人に電話をかけ、話を聞き、短く書き下ろしました。その限りで文章は私のオリジナルです。ざっと2年の仕事でした。
来年秋には高松市が平和祈念室をリニューアルオープンします。それに間に合うように必要な手直しをして県下の小中高におくる絵本をつくりたいのです。植田正太郎さんの高松空襲を孫世代へ伝えなくてはいけないという使命感を実現するためです。それにはいまある一千冊に働いてもらって資金を稼がなくてはならないのです。どうぞご協力のほどを。送料別で一冊五百円以上です。(未来会通信終刊号から)
投稿者 はねだ鉱造 : 2015年11月20日 20:26