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2012年02月01日

豊島と内海ダム(JCJ機関紙12年1月25日号から)

豊島(てしま)。ご存じだろう。滴戸内の美しい島、産業廃棄物で名の知られたあの島だ。
 2000年6月に香川県と住民会議の合意が成立。10年間かけて不法投棄された産業廃棄物(66万8千トン)は直島の処理施設で順調に処理されてきた。
 ところが昨年の夏、再調査したら、廃棄物底面よりも下、さらに山側からも廃棄物が現れて90万5千トン(残存量22万2千トン、11年3月末)に増えた。
 12年度末に処理が終わる予定が3年6カ月先送りということになった。処理するお金が問題になる。香川県は国の負担分を続けてもらうために特別措置法の延長を要望する、という事態だ。
 島の住民はこの10年で人口1400人が1000人を切るところまで減り、高齢化率も50%という。
 産廃処理後の跡地利用や島の再生をどう進めるか、見通しが立っているわけではない。
 2010年の源戸内国際芸術祭では「私たちが農作業していても道をたずねる人が次々やってきた」(豊島ネットの棚田クラブの人たちの話)というほど賑わったものの、「豊かな島」を取り戻す道は平坦ではない。
 同じ10年間、豊島の隣の小豆島では内侮(うちのみ)ダム建設反対運動がたたかわれている。
 このダム、野党時代の鳩山民主党幹事長が「ムダな公共事業の典型」といったしろもの。堰堤は早明浦ダムより長い447㍍で計画貯水量は早明浦の300分の1106万立方メートルだ。
 紅葉の名所寒霞渓の景観を破壊する点、水需要や治水からも建設する理由がわからない。
 高松の県庁前で月1回、住民がとりくむ宣伝行動はすでに80回を超えている。
 民主党は政権についてすく、09年12月に前原国土相が県に計画見直しを要請した。県がこれを拒否したことから国が補助金(負担金)を出すかどうかが焦点になり、住民は大臣へ申し入れ、政務宮と面会するところまで運動を前進させた。
 しかし前原国土相はあっさり内海ダム補助金を認めた。まるで八ツ場ダム先取りのような行動をしたのだ。
 11年12月にはダム本体コンクリート打設量10万立方メートル達成と、工事現場では大はしゃぎをした。住民側は県庁前の宣伝とともに内侮ダム収用事業認定に対する取り消し請求、企金支出差し止め請求など三つの裁判を粘り強くたたかっている。
 刎田鉱造(香川支部)

投稿者 : 2012年02月01日 11:40

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