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2008年08月18日

九条守る新たな武器

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8・15香川

 29回目を迎えた「8・15戦争体験を語りつぐ集い」(香川)は今年も高松市美術館講堂でひらきました。『そんなの関係ねぇ~?… イラク自衛隊派遣違憲判決』がテーマ、DVD「イラク戦場からの告発」(イラクの子どもを救う会)の上映に続いて、加藤祐二弁護士(名古屋イラク派兵違憲訴訟弁護団)の「違憲判決をどう生かすか」の講演に続きました。
 加藤弁護士は名古屋訴訟が各地で違憲訴訟の敗訴が続く中で大きな運動として取り組んだことについて述べました。三千人の原告、百人の弁護団。そして「肩書き紹介はしない」、「先生はやめましょう」、「若い世代に九条裁判を引き継ぎたい」というこの弁護活動の中心メンバーは20代、30代。加藤さん自身20代、弁護士になって2年目という若手です。
 判決の意義は、まず裁判所がイラク戦争の事実認定に丁寧に正面から取り上げたことです。日本が戦争している実態をはっきりさせた結果判決は憲法九条違反を明確に言い切っています。そして憲法前文の「平和の内に生存する権利」という表現に関して「基本的人権の基礎にある基底権利、具体的な権利性が肯定される」、つまり平和的生存権がこれからの九条を守るたたかいの大きな武器として書き込まれた判決が確定したのです。
 集会のタイトル「そんなの関係ねぇ~?…」は自衛隊幹部の「憲法を守る気がない」宣言です。恒久派兵法を狙う政府側にとってダメージが大きいことを表すものともいえます。
 続くフォーラムでは朝日新聞元特派員吉岡一さん、フリージャーナリスト三宅勝久さんが加藤氏と壇上に並びました。吉岡さんは、井ノ上正盛外務省書記官が殺害され、戦場特派員・橋田信介、小川功太郎さんが襲撃された時期(03年から04年)にイラク戦争の取材活動をしていました。井ノ上さんや小川さんとは事件直前にも話し合ったといいます。写真を使いながらイラク全土どこでも戦闘地域であることをリアルに報告しました。
 三宅さんは自衛隊員の自殺問題を追うなかでわかった自衛隊の実態について明らかにしました。会場からの意見交換の中でも「判決を力に若い人が平和憲法を生かしていく」と強いメッセージが感じられました。(はねだ鉱造)

投稿者 : 2008年08月18日 10:25

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