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2007年12月03日
中谷真裕美市議の決算反対討論
日本共産党を代表し、認定1号 平成18年度丸亀市一般会計及び各特別会計歳入歳出決算認定に、反対の立場で討論を行います。
認定に反対するのは、H18年度一般会計・競艇特別会計・国民健康保険特別会計および養護老人ホーム特別会計の4会計です。
まず、一般会計についてですが、私ども日本共産党はこの18年度の予算編成に当たり、この年度、定率減税の半減や配偶者特別控除・老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小による増税、また、障害者には自立支援法による応益負担導入など、市民への負担が大きくなり、しかも高齢者や障害者という社会的弱者といわれるかたがたに特にしわ寄せがくることをあげ、そのような中で、市民に最も身近な行政として、丸亀市が市民の暮らしを守るという自治体本来の役割を行財政運営でも一番の柱にするよう求めてまいりました。
市民のくらしを支えるという見地からH18年度の行財政を見るとどうだったでしょうか。
たとえば、私ども日本共産党がぜひ実施をと求めていた、低所得者層への保険料値上げをさけるために介護保険料の段階を標準の6段階から7段階としたこと、障害者セ策のタイムケアー事業の開始やかねてから働く母親からの強い要望であった、留守家庭児童会の会室時間の延長など、市民が困っている現状に目を向けくらしや福祉を支える新しいとりくみがあったことはおおいに評価したいと思います。
しかし、全体としてみると、この年度の行財政が行財政改革集中改革プラン・職員を980人にまで削減、が第一目的にくみたてられ、それによる経費の削減が市民生活にどういう影響を与えるか、これまで丸亀市として進めてきた政策、今進めている個別計画と整合性があるかといったことを、考慮したとは思えない内容が多数見受けられました。
私ども日本共産党がこういった見地から認定できないと考えるのは、図書館の図書購入費を一気に半分にするという極端な予算削減、合併浄化槽設置の市単独補助金の廃止といった市民サービスの後退、また人間ドックの自己負担、留守家庭児童会・幼稚園保育料・預かり負担金・丸亀城天守観覧料などの値上げによる市民負担の増加です。これらは市民に更なる負担を押し付けたというだけでなく、同時に、先に触れたように個別計画の内容と矛盾している点でも問題です。たとえば、人間ドックの値上げ・65歳以上を受診対象外にしたことは、総合計画や健康増進計画に「健やか丸亀21」で掲げている、健康診査の受診率の向上に逆行します。子育てハッピープランでつどいの広場事業など母子交流の場が重要だとしながら、子とものために床暖房などの立派な設備投資したつばめ教室の部屋をお金を賭けて壊して、事務所に改修してしまったのも、長期的なビジョンがないとしかいえません。外にもいくつもこういった事例が見られました。
また、教育の分野で 市内小中学校で実施された学力調査は、いくら結果は公表しなくても、共通の一斉テストを繰り返していけば、できる学校、できない学校というイメージを作りかねません。指導のあり方の参考にするのならば、学校ごとに対応すればよいのであり、統一学力調査をいっせいにする必要はないと考えます
また、学校給食の問題でも、新学校給食センターの新築移転事業に伴う、基本・実施設計業務委託料 4330万が債務負担行為として予算化されましたが、この新施設は、現在の中央給食センターと綾歌給食センターの2つの施設を統合した6500食もの大規模給食センターにする前提です。6500食もの大規模では地元の野菜などを使うことはまず困難です。調理場の大規模化は、財政の効率化になっても教育としての地産地消や食育からはかけ離れてしまいます。子どもの教育や健康にかかわるところで財政効率を優先すべききではない、と考えます。同様の見地から飯山学校給食センターの民間委託を継続する予算執行にも反対をするものです。
さて、以上述べてきたように お金がない 行財政改革だから、と市民に我慢と負担を強いる対応が顕著ですが、私どもは、お金がないというならば、市民負担・サービス低下より先に抜本的に見直す大きな施策があるではないかと指摘をしてまいりました。それは、総合運動公園多目的ひろば・市民ひろば・土器側生物後援ゲートプラザの整備事業です。
この年度、総合運動公園多目的ひろば周辺整備事業に1億6千万円以上がかけられました。この事業費のうち、浸水対策の調整地の整備はせざるを得ないと理解しますが、多目的広場をつくることについては、飯山総合運動公園にすでに整備されているのだから、あえて今の時期に、新たに多額の税金をつぎ込んで同じ施設をもうひとつ作る必要は認められません。ただちに整備はストップし、まず合併により市内3箇所になった総合運動公園をどう一体的に考えて今後の整備をするかの計画を立てることが先決です。
又、市民ひろばと土器側生物公園ゲートプラザ整備事業に、あわせて約7000万円の事業費が執行されました。これらも、いま整備を急ぐ事業ではありません。もとJA跡地の市民ひろばの整備は将来隣接の公園と一体的に整備するまでの臨時的な措置といいます。臨時的な措置に4000万円ものお金をこの時期につぎ込む必要があるでしょうか。市民からは、お城の前のスペースはこれまでどおり車が止められるほうが役に立つとの意見も出されてます。この市民広場・土器川生物公園整備事業2つの事業は前年度の土地購入からあわせて総事業費11億円の計画です。 市民に次々と負担を求めている現実を見ると、お金がないという問題より、限られた予算をどう使うかの問題だと実感します。こういった、緊急性のないものに何億円も使う事業を、みなおしすることこそ、本当の改革ではないでしょうか。
また、この市民ひろばと土器川生物公園ゲートプラザ整備事業の2つは合併特例債事業である点でも問題です。有利な条件とはいえ合併特例債はあくまで借金であり、返さなければなりません。10年間で206億の合併特例債が発行予定であることを考えれば、その償還が将来の市の財政の大きな重荷になることは必至です。「安心・安全のまちづくりにどうしてもしなければならない、学校の耐震化などだけにその使い道を厳しく限定すべきであり、緊急性のない市民広場と土器側生物公園ゲートプラザ整備事業を18年度も進めたことは認められません。
また、同和対策特別法がすべて終了した現財もなお、市単独で『教育・職業相談員設置事業』として725万円の事業費が執行されています。地域住民に必要な相談業務は、特別に隣保館に相談員を配置するのではなく、一般対策である各種の相談業務を質・量ともに拡充させることで対応することが適切だと考えます。また未だに1運動団体への794万円と高額な援助費も、広く市民の理解を得られる予算執行ではありません。速やかな見直しこそが差別の解消につながると考えます。
さて、18年度は丸亀市にも自治基本条例が制定されました。市民が主権者として対等な立場で市政に参画し、行政と協働して市政を進めていこうという理念を、自治体の憲法として条例化した画期的な年であります。しかし飯山・綾歌地区の有線放送の廃止を決めるに当たってもたれた有線放送しんぎかいのあり方は、継続や廃止時期の延期を強く望む審議会の意見を一顧だにしない、行政が政策決定をするための通過儀礼としての役割だけを担わされました。こういった審議会のあつかい方は、自治基本条例を基にした市民との協働を築くどころか、行政への不信感を助長するだけです。
又、いわゆる国民保護法が成立したことにより、本市においても国民保護計画が策定されました。名前は国民保護ですが、この計画の本質は有事に軍事行動を最優先させるための国民総動員計画であり、国民を守るためのものではありません。また、日常的に学校等で有事に備える訓練を行うとされており、日本が憲法9条で戦争の放棄をうたっていることを市民の意識の中で形骸化させることになります。こういった平和行政に逆行をする計画はとても認められません
以上述べてきた理由により、H18年度一般会計決算の認定に反対をいたします。
次に各特別会計についてですが、
国民健康保険特別会計では、この年度、新市として税率が統一されましたが、これにより、それまで最も国保税が低かった飯山地域の被保険者には、年間保険料が6万円・7万円増などの大きな値上げとなる世帯も生まれました。合併調整でも国保税率の統一にあたっては、急激な負担の変化が起こらないよう配慮しなければならない、と見解が示されていたのですから、激変緩和措置として、数年かけて統一するのが住民感情からも当然求められる対応であったと考えます。
競艇事業特別会計では、この年度の予算時に、民間からの人材登用に2000万円をかけることが議論になりました。その方達がチームを組んで経営改善に努力をされたことは理解をしますが、その一環として、綾歌庁舎敷地内の、地域のいわゆる文教地区と言う通常では考えられない場所に、ミニ場外フナ県売り場を設置する構想を立てたことは、地元住民の間に大きな混乱と不安を引き起こしました。その責任は重大だといわざるをえません。
また、養護老人ホーム特別会計では、この年度綾歌老人ホームを民間に譲渡するため、
の予算が執行がされました。高齢者福祉と言う観点からの議論もなされないまま、突然補正予算で民間譲渡への予算付けとなった点、又、これまで税金を投入してきたいわば市民の財産である建物や設備・備品を、建物を増築した際の起債の償還もまだ残っている段階で民間に無償譲渡するのが妥当なのか、という点で大きな疑義が残ります。
以上の理由から、国民健康保険特別会計 競艇事業特別会計 養護護老人ホーム特別会計 の三特別会計の決算認定に反対をするものです。
さて、この18年度も前年度に引き続きどの会計も、行政改革の影響が色濃く現れたものでした。市長はこの18年度当初、広報まるがめの紙上で「全庁体制で徹底した経費の節減に取り組み、そこで捻出した財源の効果的・重点的な配分により市民サービスの維持・向上に勤めています。」と市民の皆さんに説明されています。果たしてこの年度、市長の言葉どおり前兆体制で経費削減をしたことはよく見えましたが、その結果捻出した財源でどんな市民へのプラス面につながっているのか。まったく見えません。「将来持続可能な財政規模にするため」、と言う理由だけで片付けるには、あまりにも市民の負担・サービス低下は多く、矛盾は大きいと感じます。市民のための行革と言う理念と結果が見える今後の行財政運営にすることを理事者に強く求めて、日本共産党の反対討論といたします。
投稿者 : 2007年12月03日 19:45