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2006年10月31日

映画「UDON」で考えた 讃岐うどんは讃岐の小麦で       「女性のひろば」11月号から

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わが町綾歌にはうどんやが8軒ある。セルフ系が3軒、地元系4軒、レオマワールド内に1軒、製麺工場3カ所。碧空会というボランティアうどんサークルもある。セルフ系はブームに乗って駐車場を次々広げ、ツアーのバスや大型トラックも昼時は行列になる。地元系の店には当然だがそれぞれ個性がある。コシ、つるりとした喉ごし,えもいわれぬ柔らかさである。うどんボランティアはイベントの奉仕者、無料のうどんしか打たない。さぬきうどんは中讃地域・さぬきの真ん中あたりがうまいという。中讃丸亀の一番ディープな町が綾歌、うまいわけだ。
 「讃岐はかって小麦の反当たり収量が全国一を誇っていた時代がありました」とわが師匠はいう。なぜというと「讃岐の五反百姓」というように平均耕作面積が少ない。小作率が高い。作ったコメは地主が年貢で持って行く地主制度の時代である。そこで農民は小作争議の一方裏作で農民の手取りになるうどんの原料小麦つくりに精を出した。農家非農家を問わずどの家にも麺棒があった。泥鰌汁や打ち込みうどん。ふうふう吹きながら食べた味は忘れられない。
 戦後レッドパージで国鉄を馘首された池上淳さん(99年没)が生活のために池上製麺所を開店したのが1957年(昭和32年)のこと。それから50年瑠美ばあちゃんのうどん「池上」のルーツだ。
 庶民の知恵と汗と涙が小麦粉をつないで踏みしめて練り上げたのが今の讃岐うどん。
 映画UDONの終幕近く、帰農した広告マンが麦秋を前に「これで讃岐うどんをつくるのはいつになるのか」とつぶやく場面がある。香川県は地産地消「さぬきの夢2000」という小麦に力を入れてはいる。ところが品目横断的経営安定対策とかで小規模の麦生産者への県の助成金が激減「もう麦やかつくれん。やめたやめた」。こんな声が私の周りで続出して、今のさぬきうどん原料は輸入小麦がほとんどである。
 この困難に立ち向かううどん美人、コシがしっかり定まってやさしい白川容子香川県議の話を聞いた。(この項はねだ)


県庁にうどん課をつくろう
  白川容子香川県議の話


香川に嫁いだ私は、「さぬきうどん」に腰を抜かした。お隣の徳島から来てもこれだけビックリするのだから、四国以外の人から見れば、もっともっと驚きでいっぱいだろう。
 まず驚いたのは「でけたち(できたばかり)」のうどんに醤油をかけるだけの「しょうゆうどん」。いわば「うどんのさしみ」である。次に驚いたのは香川の人は朝からでもうどんを食べること。有名なうどん屋さんは出勤時間でも混雑している。生粋の讃岐男である夫に言わせれば「朝のうどんが一番コシがある」そうで、おいしいらしい。法事の時もまずはお茶代わりにうどんが出る。お代わりを勧められたら断ってはいけない。
 私もすっかり讃岐の人になり、ほぼ毎日うどんを食べる。何よりもうれしいのはリーズナブルだということ。いまだ一玉70円で食べさせてくれる店もあるし、うまい・安い・早いで、いつも時間に追われている貧乏な私には本当にありがたい。
 しかし、小泉構造改革が讃岐うどんまでも奪い去ろうとしている。「さぬきうどんは、さぬきの小麦で」と、党の先輩議員たちが苦労を重ね提案し実らせた小麦作振興事業。オーストラリア産など外国産を使った、さぬきうどんとは名ばかりの実情を「小麦生産改善特別事業」で、種子や肥料代の助成・生産集落への奨励金、新品種の開発に心血を注いできた。この努力を品目横断の新たな農業つぶしで、麦作が壊滅的な状態にさらされてしまう。私は県庁に「うどん課」を作るべきだと主張してきた。経済、観光、農業、暮らし、どこから見ても香川県にはなくてはならない食文化「うどん」。これを国の悪政から守る讃岐人のコシの強さが今求められている。

投稿者 はねだ鉱造 : 2006年10月31日 17:52

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