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2006年03月27日
3月議会 終わる
丸亀市議会3月定例議会は二十四日(金)に最終本会議を開きました。財政困難を理由に市民負担増、サービス切り下げを柱にした2006年度予算案・三百五十三億八千万円、市自治基本条例案、市職員給料カット、市長ら特別職の給与20%減額など三十五案件を審議しました。日本共産党議員団はよりよい自治基本条例を求めて修正案を提案。また予算案、国保値上げ予算、アイレックスやコミュニティバス値上げ、職員給料カット、有事法制関係の条例等九議案に反対しました。
反対討論には尾崎淳一郎議員が立ちました。基本条例修正案は高田重明議員が提案しました。修正案は手違いがあって討論抜きの採決となり、原案が賛成多数で可決されました。議員の報酬を3年間5%カットする議案等議員提案の3案も含めて全議案が原案どうりの可決となりました。
◆二〇〇六年三月定例議会反対討論(三・二四) 尾崎淳一郎
日本共産党を代表して尾崎淳一郎が反対討論を行います。
反対する議案は、
議案第一六号 平成一八年度丸亀市一般会計予算について
議案第一七号 平成一八年度丸亀市競艇特別会計予算について
議案第一八号 平成一八年度丸亀市国民健康保険特別会計予算について
議案第三二号 丸亀市職員の給与に関する条例の一部改正について
議案第三五号 丸亀市綾歌総合文化会館条例の一部改正について
議案第三六号 丸亀市史跡等管理条例の一部改正について
議案第四一号 丸亀市コミュニティバス運行条例の一部改正について
議案第四三号 丸亀市国民保護協議会条例の制定について
議案第四四号 丸亀市国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例の制定につ いて
の以上であります。
反対理由を順次述べたいと思います。
先ず、議案第一六号 平成一八年度丸亀市一般会計予算については、すべての分野において、行財政改革の推進で、各課の経常経費の二〇%カットという機械的な予算方針で、とにかく経費削減が先行し、市の施策をどうするのかという基本理念がないままの予算になっています。また、国の大増税・負担増が本格的にはじまる中、市民生活に新たな負担を押しつける、家計に冷たい予算となっています。
日本共産党は、財政が厳しい時代にあっても、丸亀市政として何を大事にするかという、基本方針をもち、それを予算上でも明らかにしつつ事業を転回していかなければならないと考えます。
今議会の代表質問や総括質疑、各常任委員会審議でも明らかになりましたが、平成一八年度予算に現れている方針には、本市がこれまで持ってきた施策、また進めようとしている施策と一致していない・矛盾するという点が数多くありました。
例えば、これからコミュニティ活動を重視し、協働のまちづくりの重要なパートナーと位置づけ、防災や子どもの安全もコミュニティに大きな期待をかけながら、昨年度よりも一〇%の予算カットをする。 また、公共下水道との格差是正や、今後の方針として合併浄化槽の設置を奨励するために、市単独で合併浄化槽設置の補助金を上乗せしていたのに、廃止する。
文化面では、その蔵書の層の厚さを誇っている図書館の図書費を一挙に半減する。お城のある町として子どもたちに文化財に親しんでもらおうと、無料にしていた丸亀城天主閣の観覧料を子どもたちにも有料にする。(議案第三六号)
これまで本市がとってきた方針と一致しない施策をどう考えるのでしょうか?そのすべての帰結点は、「行財政改革の観点で考える」ということです。今まで守ってきた丸亀市のよさをなくして、何のための行財政改革でしょうか?
また、合併後二年目の予算編成となりますが、旧綾歌・飯山の市民にとれば、合併しての希望が見出せない。さらに負担と落胆をまねく予算になっています。
国保税の大幅な値上げ、保育所の保育料・幼稚園の保育料・預かりの保育料・バスの値上げ・少年スポーツ育成事業への補助金のカット等があり、合併してからの負担の増え方は尋常ではありません。子育てにかかる負担が合併によって一気に増えたという声は、ますます広がっています。どうして、もっとなだらかな経過措置がとれないのでしょうか?新市として一体感が持てるような配慮、地域性の尊重が行財政改革が進む中でも必要なことは当然であります。 また、一方では一斉学力テストに教育の問題でいえば、学校開放の照明料も有料になります。子どもたちのスポーツ活動や社会教育には、経済的な負担は伴わずに、子どもてちに夢を与えてほしいものです。子どもの健全育成と言うのなら、こういうところで予算を削減してほしくはありません。
また、十八年度は指定管理者制度が導入されますが、経費削減が先走りし、市民サービスの低下が予想される所や、指定管理者を導入したため、管理の問題が複雑になっている施設もあり、市民サービスの向上をいう本来の目的が達せられない施設は制度の適用を見直す必要があります。
一方では、一斉学力調査に三九三万六千円の予算計上がされています。一斉学力調査の実施は、実施者のねらいが純粋に子どもたちの学力の分析のためだと考えていても、必然的に学校の序列化と過度の競争によって、教育のあり方に支障が出ると考えます。子どもたちの学力の分析のために実施するのであれば、個別に実施すればいいことだと考えます。
また、丸亀市綾歌総合文化会館条例の一部改正では、アイレックスの会議室を市民会館と同様の扱いにする言っていますが、これによってさらに、両施設間の使用料の格差は大きくなり、使用料がさらに高くなるアイレックスでは市民の利用が遠のくのではないかと心配されます。
このように、市民には財政破綻を避けるために理解してほしいと生活に直接関係する補助金のカットや使用手数料の値上げを行う一方で、何千万、何億の私たちの税金が動く、投資的事業には依然として過去を踏襲する面がみられます。
私たちは、このような財政難のとき、行財政改革といって先ず見直すのは、市民への負担ではなく、緊急性のない総合運動公園の多目的広場の整備事業や土器川生物公園ゲートプラザの整備事業であると考えます。
また、各種団体の補助金が、たった五万円の所まで対象に、きっちり二〇%、一万円削減される中で、同和関係の一運動団体に七九四万円もの多額な援助金が予算化されるということは、市民の理解を得られるものではなく、かえって市民の中に溝をつくり同和問題の解決を遅らせることになります。国も県も同和対策特別事業を終了する中で、丸亀市の単独事業の一般対策化、また、団体補助金の見直しは急務です。 行財政改革というのなら、先ず、こういった支出こそ見直しを急ぐべきです。
また、最後に、一八年度予算では、一四三万六千円の予算が公平委員会についていますが、今議会でも取り上げられたように、その審査の内容については公平委員会に属することですが、申立を受理しないことは、公平委員会として機能していないことであり、設置をしている市が責任を負わなければならないことだと考えます。予算化に当たって、その当たり前の機能を果たすように、市が責任を持つことを強く訴えます。
次に、議案第三二号 丸亀市職員の給与に関する条例の一部改正について反対理由を述べます。職員の給与カットは、先の人事院勧告に基づく引き下げに続くもので、財政の立て直しで職員のみなさんの苦労が並々ならぬ時におこなうなど、その士気を失わせるものです。また、給与格差が歴然とある旧綾歌・飯山の職員も同様に引き下げになる問題や、また、地域の民間賃金への影響を考えると認めることはできません。 職員給与総額の削減という観点でみれば、本年度末の退職者五一人の内、定年退職者一三人対して、早期退職者は三倍の三九人です。しかも、当分の間、新規採用をしないことを考えれば、早期退職者三九人分の人件費が来年度以降全額いらなくなります。人件費総額は、約四億円削減でき、職員給与の引き下げはしなくてもよいわけです。 では、何故あえてするのか?それは、本市財政危機を市民にあおり、市民サービスの大幅切り捨てによる、市民からの反対の声と怒りをかわすために、職員給与を引き下げるものと私たちは考えます。
市民には、市民サービスの切り捨てで負担増と痛みを強制し、本市職員には、その見返りに、給与の引き下げをおこなう。その結果、地域全体の所得を減少させ、購買力をさらに低下させ、地域経済の衰退で市税収入の減少をきたすことは、誰が見ても明白です。そこで、本市は再度、本市財政が大変だとの理由をかかげ、市民サービスの切り捨てを実施することにもなりかねない問題であり、この給与の引き下げは認められません。
次に、議案第一七号 平成一八年度丸亀市競艇特別会計予算については、競艇事業への外部からの人材登用について反対致します。反対理由は、競艇事業の赤字は、丸亀競艇だけにみられるものではなく、全国二四の競艇施工者共通です。したがって、個々の競艇場の対応策で打開できるものではなく、全国二四の施工者全体で対応策を考えるべきものです。継続か廃止か、統廃合かを含めて、全体で議論する必要性を迫られています。この様な時期に、ましてや本市担当職員は、この間、収益を上げるために大変な努力をしてきました。その努力を否定しかねない外部からの人材登用はすべきではありません。
最後に、議案第四三号 丸亀市国民保護協議会条例の制定について、議案第四四号 丸亀市国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例の制定について、反対理由を述べます。
二〇〇四年六月に、強行可決された有事法制のうち、国民保護法が九月十七日に施行されています。
国民保護法は、国民保護という名のもとに自衛隊をはじめ、地方自治体、民間企業、一般市民を戦争に強制動員する仕組みが盛り込まれ、平時から戦争に備えさせる体制を作ろうというものです。この法の中には、懲罰刑や罰金などの罰則もあります。
有事つまり、戦争に備えるためにということで、各自治体に国民の保護に関する計画の策定が義務づけられています。その計画の策定にむけて、本市が国民保護協議会を設置するものです。これから作る計画の中には、国民に対する啓発も義務づけられ、教育委員会を通じ、幼稚園、小中学校などで、国民保護訓練が行われ、自治会や各種の団体・組織・ボランティアを動員するものです。
この様に、国民の協力義務を持ち出し、戦争協力のための思想訓練が日常的に行われることにもなりかねないのです。
市民のみなさんは、こんな平和なときに戦争と思うかも知れません。しかし、戦争に繋がる法律は、周辺事態法、武力攻撃事態法、有事法制と、すべてできており、既に住民基本台帳ネットワークが施行され、個人情報保護条例の改悪で住民情報が軍事利用される基礎もできています。
日本有事への備えは、日本国憲法が明確に示しています。憲法は、戦前の侵略戦争の反省から、日本の平和と安全は、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してかちとると宣言し、九条で戦争を放棄しています。国際協調と平和外交で日本の平和と安全を守ることを宣言しています。
戦争は、政治の延長であって、ある日突然、戦争がやってくるのではありません。戦争をしなくてもよい政治をすすめることが重要であることを強調して、
日本共産党を代表しての反対討論を終ります。
投稿者 はねだ鉱造 : 2006年03月27日 18:59